こんにちは!美術作家の伊藤です。
今回はデッサンの身に付け方や、デッサンが必要な子、必要でない子はどんな子?などを書いていきたいと思います!
私は初めてのデッサンは中学校の授業だったと思います。友達の顔を描いていました。先生にみせにいくと、「これ伊藤さんだよね?自分を描くんじゃないよ。友達を描くんだよ。」と言われて、どうやら私の自画像だと勘違いされたようでした。なんでだと思いますか?それは、私がよく見て描いてないからなんです。人はよく見たことがあるものしか正確に描くことができません。しかも、資料を見ながらしか描けないと思います。
私は自分の顔は毎日見ているし、友達の顔をまじまじと見るのが恥ずかしかったので、想像で描いてしまった=よく見たことのある自分の顔。だったんですね。
意外とそういう子たち多いんじゃないでしょうか?その頃の私はデッサンが難しくて、面って何?から疑問に思ってました。漫画の絵を描くのは楽しかったけど、デッサンはなんか違うんだよなぁとか考えてました。今回はそんなデッサンの疑問を私なりに書いてみましたので、是非見ていってください。
デッサンの身に付け方①よく見て目の訓練をしよう!
先程も書きましたが、人は見たことのあるものしか正確に描くことができません。しかも、よく見たことがあるものです。よく見たことがあるということは、何回も描いて頭や手に情報が入っているということです。
例えば、竜の絵ばっかり描いている画家さんがいるとします。その人は細部に渡って竜のうろこまで正確に描くことができますが、馬を描いてと言われますと、多分想像で「こんな感じ」という馬は描けても、細部に渡っての正確な馬は資料がないと描けないと思います。
デッサン習得には実は順番があります。まずは、おおまかな全体の形をモチーフをよく見て描く訓練をします。
「形」なので、筋肉や骨格等、細かいことは描きません。もし私が筋肉や骨格のことを、詳しく教えて「さぁ、描いてみて」と言ったとしても、描ける子はいるでしょうか。おそらく、今まで形をたくさん描いてきた子しか描けないと思います。
文字の練習も、なぞりを何回かしてから、よく見て書いてますよね。その、文字の練習と、絵の形を描く練習は、同じ目の訓練なんです。人間でいうと、座った形、立った形、走ってる形、歩いてる形等とにかくいろんなポーズの形をよく見て描けるようにします。クロッキーや素描とも言います。これを繰り返すと、おのずと文字も絵も上手になりますので、やっておいても損はないですね。
デッサンの身に付け方②デッサンは誰にでも必要なわけではない?
私の友達は、デッサンの授業はサボって来なかったし、漫画のキャラクターばかり描いていた子でした。そのためか、キャラクターはすごく上手に描いてました。
デッサンはどうしても、マッチョな筋肉の石膏像や、リンゴなどをモチーフにすることが多いので、漫画の女の子のイラストを描くその子の絵柄とは全然違うんですね。
デッサンが必要かどうかは、自分の描きたい絵柄によって違うと思います。それか、絵の幅を広げたくてデッサンを1から習得したい!とかなら必要ですし、その子のデッサンへの意欲も上達に関わってきますから、せめて小学校のうちは、デッサンはしなくてもいい子が多いのではないでしょうか。
毎日小さい時から美術館へ行って、名画を見て育って、こんな絵を描きたいという子なら、石膏像のデッサン等はやったほうがいいと思います。そうでなければ、少しずつ興味のあるものを描いていったほうがいいですね。
もちろんデッサンを極めたい子は、本格的な習得へむけてのカリキュラムにしていくので遠慮なく言ってきてくださいね。
デッサンの身に付け方③記号や線で形を描いてみよう!
記号は、○、□、△。それと線です。○で描いていくのがおすすめです。
あたりを大きくとって、大体の場所、構図を決めるんですね。鉛筆の先ばかり見て書かないのがポイントです。
視野が狭くなるし、形もとれなくなります。まずは真ん中に大きくモチーフを描いて、紙から身体を離してモチーフと紙を交互に見ながらよく観察して描いてください。紙に十字線をいれて描いていくのもポイントです。
デッサンは、絵の具でそのまま描いていくのもおすすめしています。
先に色をおいて、徐々に形を整えていけば、形もとれるし、色彩も学べます。その場合、授業でも使うアクリル絵の具で描いていきます。アクリル絵の具はどんどん塗り重ねていけるので、初心者にもってこいなのです。
まとめ
今回はデッサンの身に付け方のお話でした。
①よくモチーフを見て、観察力、形の取り方を鍛えよう!
②デッサンは必要な子と必要でない子がいる。自分は何を描きたいのか考えてみよう!
③デッサンへの興味を出すため、初めは○や線で描く練習をしよう!
私が思うには、小さい子に無理にデッサンはおすすめしてなくて、やりたい子がやればいいと考えています。
それでも身に付けさせたい!という場合は、授業で少しずつ取り込みながら教えていくので、楽しみながらデッサンを学べると思いますよ。無料体験の予定もただいま計画中ですので、是非いらしてみてください。
それでは失礼します。
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